循環の局所性調節

血管平滑筋には強く押されると弛緩し、逆に引き延ばされると収縮するという性質があります。これを筋原性の調節といい、動脈の平滑筋などで見られます。

一方、抹消の動脈や細動脈では、末梢神経で生じた化学物質(代謝産物)により循環の調節が行われています。末梢神経の活動、例えば運動時に骨格筋では、体温が上昇し、二酸化炭素が産出され、乳酸が増加しpHは低下し、プロトン濃度が上昇します。乳酸上昇やこれらの化学物質が増えると血管が拡張し、血流量が増えるという局所性の調節が行われています。
血管拡張を生じさせる化学物質には、それら以外に一酸化窒素やATP、ADP、アデノシン、ヒスタミン、プロスタグランジン、カリウムイオンなどがあります。
一方、血管を収縮させる物質には低酸素状態になると血管内皮細胞から分泌されるエンドセリンのほか、アンギオテンシンⅡ、バソプレッシンや血管を支配している交感神経の伝達物質のノルアドレナリンなどがあります。


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